2014年1月19日日曜日

反米思想の生産プロセス。

http://surouninja.blogspot.jp/2014/01/production-process-of-anti-anglosaxonism.html
猪瀬都知事の問題で今お騒がせの民族派団体「一水会」。(参考:猪瀬氏側から徳洲会との仲介役に500万円 TBS系(JNN) 1月18日)

政治に全く興味がなく、文字通り右も左も分からない人間でさえも、この団体に関わることで見事に反米調教されていくそうだが、そのプロセスを我々に示してくれる、ある意味で貴重な書籍を最近発見したのでご紹介しよう。

小心者的幸福論 雨宮処凛 (2011/3/5)


一水会との出会いをとても好意的に書いている著者は、人が反米思想へと陥ってしまう原因を見事に晒してくれている。恐らく本人は無自覚的に書いているのだろうが、ある意味でとても参考になる一冊である。

雨宮処凛 - Wikipedia

雨宮 処凛(あまみや かりん、女性、1975年1月27日 - )は、作家・社会運動家。かつて「ミニスカ右翼」と形容された[1]元右翼活動家だったが、その後は「ゴスロリ作家」を自称する[2]左派系論者に転向[3]。
近年はプレカリアート問題に取り組み、代表作は『生きさせろ! 難民化する若者たち』(日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)受賞)。反貧困ネットワーク副代表、『週刊金曜日』編集委員、厚生労働省ナショナル・ミニマム研究会委員、「小説アカデミー」顧問、「こわれ者の祭典」名誉会長。
その後「生きづらさ」の原因の一つに新自由主義の拡大があると考えるようになり、自ら「左傾化した」と表明した[3]。本人は自らの社会に対するスタンスが根本的な転回を経たとは認識してはおらず、「多くの人が生きづらい今のこの国(日本)は嫌だ」という違和感はかつて右翼活動をしていたころと変わっていない、或いは、「生存を求める」ことに右や左は関係ない、と語っている。

本人は今はウヨクからサヨクへ転向した(ツモリになっている)が、予め用意されたレールの上を移動しているだけの話である。

著者が関係を持った一水会というのは、その時の状況に応じて都合よく右翼や左翼に変化することのできる、全体主義集団に過ぎないのである。この組織の真のイデオロギーは唯一つ、“反米”である。一水会に関わる面子を見れば、右も左も無関係であることがよく分かるだろう。ここに関わるのは皆、反米英の大陸主義者(アジア主義者)達である。(参考:2013年11月23日土曜日
一水会:徳洲会と猪瀬都知事を繋ぐ点。)

実は著者も反米勢力の掌で踊らされているだけなのである。全体主義者の右手と左手でお手玉されているだけなのだ。

本書を読むと、やはり著者も長期不況により精神が不安定化し、強烈なルサンチマンを抱いた若者であったということが分かる。これは、所謂“就職氷河期世代”にしばしば見られる傾向である。だが、このルサンチマンこそが国家の全体主義化を加速させる要素だということに気付かない人は多い。(参考:反キリスト教)

雨宮処凛 - Wikipedia

プレカリアート問題の論客

現在『論座』・『週刊金曜日』・『しんぶん赤旗』・『思想運動』といった革新系、左派・左翼系メディアへ寄稿し、左派系論者として活動をしている。社会民主党の機関紙である『社会新報』にもコラムを掲載中。

近年は新自由主義の拡大の結果増加したプレカリアートの問題をテーマにした取材、執筆活動に力を入れており、フリーターらによるデモや集会にも参加している。そうした中から生まれた作品として、『生きさせろ! 難民化する若者たち』がある。このような活動から、朝日新聞は雨宮を「プレカリアートのマリア」と呼んだ[10]。

ここにも散りばめられているカトリック思想。そういえば、一水会が「レコンキスタ」という機関紙を出していたが、

レコンキスタ - Wikipedia

レコンキスタ(スペイン語:Reconquista)とは、718年から1492年までに行われたキリスト教国によるイベリア半島の再征服活動の総称である。

操り主が馬脚を露わしている。つまりこの組織は反米大陸カルト集団だということである。当ブログでは、この連中を“グローバリスト勢力”とカテゴライズしている。そこには共産主義勢力も入り込んでいる。寧ろ共産主義勢力が看板を掛け替えただけな気がしないでもない。

何時の時代も民衆のルサンチマンを政権転覆に利用する邪な連中は居るものである。同盟国との関係を壊して経済を悪化させることを目的に、このような民族団体を利用して若者の精神汚染を企てている連中が居るのである。そして実際に経済が悪化したら、その矛先を更に同盟国に向けさせるという寸法である。

同盟国の経済が悪化して喜ぶのはどういう勢力か。それは最早説明するまでもあるまい。(参考:積極財産と緊縮財政)

本書の中で著者はこう書いていた。

彼等(一水会)は「今の若者が生きづらい」のは「アメリカ」と「戦後民主主義」のせいだと断言した。
その瞬間、私は(オーバードーズやリストカットなどが)「治った」。それまでは毎日のように自分を責めていたのだが、一切自分を責めなくなった。なんてったって悪いのはアメリカと戦後民主主義なのだ。

この後、著者は過激な右翼活動にのめり込むことで自分の存在価値のようなものを見出したようだが、これこそが神風特攻を正当化した人々の精神状態なのだろう。著者はその後、なぜか北朝鮮にも行き、自分とは違う世界を知ることが出来たということまで書いている。

本当は政治思想など未だにどうでもよく、他人がお膳立てした反米主義に己のルサンチマンをぶつけて現実逃避しているだけなのだろう。

著者の行動や思想的遍歴は、ネットの一部に蔓延る反米思想の根底に気付かせてくれる。そういう意味では、本書は良書であると断言できよう。