エネルギー

http://surouninja.blogspot.jp/p/blog-page_23.html
2013/8/31

経産省が水素社会実現の封印を解いた。

日本を支える自動車メーカー各社も、2015年の燃料電池車(FCV)販売開始を目前に控え、周辺環境の整備を着々と進めている。

燃料電池に利用される「水素」は、一般的にはクリーンな次世代エネルギーであると考えられているが、上のリンク先でも述べた通り、残念ながら其れは「幻想」である、今の処は。

現在、水素を効率良く製造するためには莫大な熱エネルギーが必要なわけだが(熱化学水素製造)、其の熱源として最も効率的なのは、実は原発なのである。

電気を使った電解式水素製造方式も在るが、熱化学方式に比べて非効率であるし、現実的に見れば電解に使う莫大な電力も再生可能エネルギーではなく、原発に頼ることになるだろう。

而(しか)も残念なことに、現時点で水素の原料として考えられる物質の中で、最も量産に適しているのが実は天然ガス石油という皮肉。

此れだけ見ても、「クリーンな水素社会」というのが実は“幻想”に過ぎないということが否応無く見えてくるだろう。

詰まり、来る水素社会の青写真は、原子力利権と石油利権の合意の元で描かれているということである。

「水素エネルギーはクリーンだ、エコだ」と今後もマスコミが持て囃すだろうが、水素エネルギーがクリーンだというのは現時点では只の麻耶花しである。其れは既存の利権構造を内包した“表の顔”に過ぎないのである。

勿論、水素エネルギーに希望が無いわけではない。其れ自体はとても優れた資源なのだから。

問題なのは、其の“製造方法”だけなのである。

時間は掛かると思うが、経済的にも環境的にも優れた、とても合理的な製造方法が近い将来に開発されると思われる。例えば、地熱等の安定した再生可能エネルギーを組み合わせた水素製造法は最有力候補と謂えよう。其れは原子力利権と石油利権の凋落、若しくは利権構造の変化と共に少しづつ実用化されるかも知れない。


2014/09/09 追記

製鉄所などで発生する副生水素を使えば、現状でFCV年間約1,000万台分の水素燃料は確保できるようである。また、石油精製業界でこのまま精油所の石油化学シフトが進めば、水素の供給の見込みはこれよりも更に増加するとのことである。

参考:http://www.pecj.or.jp/japanese/report/reserch/H25guide/h25data/07.pdf

水素社会の実現には“安価な水素”が必要不可欠だが、このような試算を見ると、水素供給の問題は意外とあっさりクリアできるのかもかも知れない。同時に、副生水素という謂わば“ゴミ”的な存在が、原油需要減のリスクを抱える日本の石油精製業界を救う貴重な“宝”に変わることも今後は予想される。