2015年7月3日金曜日

所得税改革:日本の将来のために「公的年金等控除」を廃止すべし

http://surouninja.blogspot.jp/2015/07/Japan-should-abolish-the-unfair-deduction-of-public-pension-income-amid-comming-aging-society.html
これまで手付かずだった「所得税改革」について、政府はいよいよ本腰を上げて取り組み始めたようである。政府は主に、今や複雑化して実情と合わなくなってしまった各種の「所得税控除」を見直すことを柱に所得税改革を検討しているようである。

引用元:SankeiBiz
所得税の「控除制度」見直し 若い世代の負担軽減が焦点 (1/2ページ)

2015.7.3 05:00

 政府が所得税改革をいよいよ本格化する。消費税は「社会保障と税の一体改革」、法人税は実効税率を数年で20%台に下げる「成長志向の法人税改革」が進行中だが、所得税の改革はほぼ手つかずであり、再設計は待ったなしだ。

 改革の主眼は、成長の担い手となる若い世代に光を当て、経済の成長基盤や安定した税収構造を構築することだ。若い世代の税負担を軽減し、働く意欲を損なわず、安心して結婚や子育てできるように後押しする。一方、年齢を問わず経済力のある人には負担を求める。

 こうした世代間の税負担の再構築は、所得控除の仕組みを見直すことで実現する。

 昨年の政府税調では、専業主婦らがいる世代の負担を軽くする配偶者控除の見直しに絞って議論。廃止案や、妻の収入にかかわらず夫婦の所得から一定額の控除を認める「夫婦控除」を創設する案を検討した。

 だが配偶者控除だけでは不十分で、関連性の強い他の所得控除とのアンバランスが生じる可能性がある。2日の政府税調総会では「ゼロベースで所得控除を見直すべきだ」(大田弘子政策研究大学院大学教授)という委員の意見が相次いだ。

 今後の議論では、全ての控除を見直す。子育て支援の税優遇として、子供など一定所得以下の親族を対象にした「扶養控除」を拡充する案や、支払った社会保険料の額に応じて控除を受けられる「社会保険料控除」に上限を設ける案などの見直し案が浮上している。

今政府が検討しているように、所得税改革は税率そのものに手を付けるより前に、先ずは「控除」の見直しから手を付けるというのは基本中の基本であろう。そもそも今の日本の税制には、完全に逆差別とも言えるような、実状に合わない“無駄な控除”が多すぎるのである。

参考:
2014年10月10日金曜日
「外国人の扶養控除」という在日特権。

引用記事によれば、見直し対象の控除としては、「社会保険料控除」や「扶養控除」あたりを見ているようだが、今後の日本では高齢者(年金生活者)が爆増することを考えれば、一番先に見直されるべき控除はやはり「公的年金等控除」であろう。公的年金というのは、税制面で余りにも優遇され過ぎており、ここは真っ先に見直すべき部分であると考えられる。

参考:
10のポイントで考える日本の成長戦略
著者: 田中直毅、国際公共政策研究センター(CIPPS: Center for International Public Policy Studies)

公的年金のさらなる改革
現在、公的年金の税制においては、拠出時に全額が社会保険料控除として所得控除の対象となります。そのため、給付時には課税されるべきですが、公的年金等控除(65歳以上では年間最低120万円控除)により、給付時にも課税されない場合があります。企業年金等においては、基本的には拠出時は非課税、運用時は特別法人税課税(積立金に対し年率1.173%)、給付時は公的年金等控除の対象となっていますが、実際には、特別法人税経済状況を踏まえて1999年度から凍結されており税制の考え方と実態とに乖離が生じています。

 こうした問題に対応するために、公的年金等控除および特別法人税は廃止し、年金課税を拠出時と運用時に非課税、給付時課税というシンプルな形に整理してはどうでしょうか。

公的年金は主に株や債券などで運用されているため、年金受給者の受け取る年金というのは、言ってみれば事実上“キャピタルゲイン”ないし“インカムゲイン”と同類の所得である。本来ならそういったキャピタルゲインやインカムゲインには、其れに対する所得税などが申告分離課税(ないし源泉分離課税)されるわけだが(現時点で、キャピタルゲインに対しては20.315%、インカムゲインに対しては20.315%もの税率である)、年金受給者にはそのような課税方法がなされていない上に、「公的年金等控除」という“優遇”まで与えられている始末である。

「年金」と「キャピタルゲイン等」は必ずしも同じ所得だとは言えないわけだが、しかし前者には運用益の他にも所得税優遇と血税投入がなされている分だけ優遇されており、またリスクも低いわけで、それなら尚更そのような所得に対する控除は見直されるべきだろう。血税で補填されている年金というのは、謂わば株式等の譲渡益なんか所得よりも断然“ノーリスクな所得”であり、そのような所得に対する税を優遇するのはやはり好ましいとは言えない。今の日本の歪んだ生活保護制度を見ても分かる通り、リスクを取らない者たちを過剰に優遇することは、社会を疲弊させ長期的に持続不可能な社会を生み出す原因となるのである。

ここはやはり、年金収入だろうが株の譲渡益だろうが配当収入だろうが、それらを一つの“所得”と考えて差別せず課税すべきだろう。

「公的年金等控除」の見直しについては、当ブログでも以前から言及している通りだ。

参考:
2014年10月18日土曜日
ルー米財務長官:日本の消費税再増税に警告。
毎年の税制改正で「公的年金等控除額」のパラメータを大胆に引き下げるとか、そもそも「公的年金等控除額」という“特別扱い”をなくしてしまうといった、なるべく遠回しな対年金増税手段が必要になるだろう。

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