2015年5月9日土曜日

英国総選挙2015:保守党まさかの過半数獲得もEU離脱は無いだろう

http://surouninja.blogspot.jp/2015/05/UK-Conservative-Party-wins-a-majority-in-the-election-but-Britons-will-not-seek-Brexit.html
英国で7日(2015年5月7日)に投開票が行われた英国総選挙2015年では、キャメロン首相率いる英国保守党が事前予想に反し、まさかの単独過半数(326議席)を獲得したとのことである。一方、英国保守党に対抗する英国労働党は議席を大幅に減らしている。

引用元:Bloomberg
2015年英国総選挙:政党別議席数 表 (15)
2015/05/08 23:38 JST

(ブルームバーグ):2015年英国総選挙の政党別議席獲得数の詳細は以下の通り。

===========================================================
議席 議席 議席 議席
獲得 増 減 維持
===========================================================
労働党 232 23 49 209
保守党 331 37 10 294
自由民主党 8 0 49 8
英国独立党(UKIP) 1 0 1 1
グリーン 1 0 0 1
スコットランド民族党(SNP) 56 50 0 6
ウェールズ党 3 0 0 3
民主統一党(DUP) 8 1 1 7
シン・フェイン党 4 0 1 4
その他 6 2 2 4
===========================================================
残り議席数: 0
===========================================================

また、スコットランド独立を唱えてきたスコットランド民族党(SNP)も、

参考:
2014年9月14日日曜日
スコットランド独立を期待する共産主義勢力。
2014年2月18日火曜日
スコットランド独立:誰も幸せにしない“死の行進”。

今回の英国総選挙で大躍進している。

さて、今回の英国保守党の大勝利により、英国では今後、また新たな大イベントが発生することになる。

それは、EU離脱を問う国民投票である。

英国保守党のキャメロン首相は、今回の英国総選挙の公約として、「EU離脱の是非を問う国民投票を2017年までに実施」を掲げていたわけで、今回の英国保守党の勝利により、その国民投票の実施がほぼ確定したわけである。

では今後、国民投票によって英国がEU離脱(Brexit)を選択するかについてだが、おそらく英国がEUを離脱することは無いと見ている。その理由は以下の通りだ。

キャメロン首相自身がEU離脱に前向きではない


英国保守党党首のキャメロン首相自身、EU離脱にはそれほど前のめりではなく、英国がEU改革に積極的にコミットすることで乗り切ろうとしている。それに応じてEU側も英国に対して譲歩する可能性を示唆している。

引用元:産経
 英国では「移動の自由」が保障されたEU域内からの移民急増などで、EUに対する不満が高まっている。キャメロン氏はEUに改革を求めた上で、2017年に国民投票を実施したい考えだ。

 一方、ユンケル欧州委員長は、EU基本条約に規定された統合の基本原則である移動の自由について、大幅な条約改正が必要な要求は拒否する姿勢だ。ただ、「今の条約の下でも可能な変更はある」とも語り、要望を踏まえ「公正な取引」を模索する意向だ。

またギリシャ問題についても、キャメロン首相は、「英国はギリシャの金融支援に関与しない」という姿勢を示している。

参考:
引用元:Bloomberg
キャメロン首相:英国はギリシャ救済に参加しない-ユーロ存続を確信
2011/06/21 22:50 JST

  6月21日(ブルームバーグ):キャメロン英首相は21日、ギリシャへの新たな金融支援に英国が参加する可能性はないと言明した上で、ユーロ参加国にはユーロを存続させる決意があるとの見解を示した。

同首相はロンドンでの記者会見で、「深刻な混乱は英国に悪影響をもたらす可能性がある」と指摘しながらも、「いかなる形であれ欧州の金融メカニズムを利用すべきではないと信じている。これについてはユーロ圏内で協議されている」と語った。

これは、「英国は(現在の英国金融の独立性さえ保てるなら)EU離脱をするつもりはない」というシグナルだろう。

EU離脱派の急先鋒の英国独立党(UKIP)が議席減


今回の英国総選挙では、EU懐疑派の有権者が、EU離脱の急先鋒とも謂える英国独立党(UKIP)支持に流れたわけだが、その選挙の結果、UKIPが議席を減らしたことからも分かる通り、EU懐疑派の英国保守層は意外とマイノリティだということが判明している。

スコットランド民族党(SNP)は親EU


スコットランド民族党(SNP)は伝統的に親EUであり、また、SNP支持層はEUマネーに依存する一次産業従事者も多い。今回の英国総選挙でSNPを大躍進させたSNP支持層が、英国のEU離脱(Brexit)を支持することは考え難いだろう。

参考:
Euroscepticism in the United Kingdom - Wiki
The Scottish National Party (SNP) has tended to be pro-EU since the 1980s. The SNP's heartlands tend to be in fishing and farming areas of Scotland. However these regions tended in the Scottish independence referendum for remaining in the Union with Britain (and the EU), against the SNP proposition. Scottish farmers received £583 million in subsidy payments from the EU under the Common Agricultural Policy (CAP) alone in 2013.

これらの理由から、英国がEU離脱(Brexit)を選択することは可能性としてかなり低いのではないかと思われる。

このように、結果の見え透いたBrexit国民投票など「ぶっちゃけ血税の無駄」とも思えなくもないが、保守党内のEU懐疑派のガス抜きをしつつ対EU交渉のカードとしても使えるなら、キャメロン首相としてもBrexit国民投票を実施する意義は其れなりに在るのかも知れない。

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