2014年4月1日火曜日

原発停止をバネに合理化を進める北海道電力。

https://surouninja.blogspot.com/2014/04/structural-reform-of-hokkaido-electric-power.html
泊原発の停止で財務状況が悪化している北海道電力は本日(2014年4月1日)、債務超過を回避すべく日本政策投資銀行に500億円規模の資本支援を仰いだとのことである。

東京電力以外の電力会社が資本支援を仰ぐのは、北海道電力が初めてである。

北海道電力に資本支援 政投銀が優先株500億円
今夏、債務超過を回避 原発再稼働なお見えず

2014/4/1付
日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKDASFS3103K_R30C14A3MM8000/

 日本政策投資銀行は、経営不振が続く北海道電力を資本支援する。議決権のない「優先株」で今夏に500億円規模を出資する方向だ。北海道電は原子力発電所の稼働停止で大幅な赤字が続いており、増資で当面の債務超過を回避する。電力会社は東日本大震災以降、銀行から巨額の融資を受けてきたが、原発事故を起こした東京電力以外で資本支援を仰ぐのは初めて。原発の再稼働が遅れれば、他電力にも資本支援が広がる可能性がある。

原発停止の影響で北電の経営も相当ピンチのようだが、同社もまた東電と同様、原発停止によるピンチを上手く利用して組織のリストラに取り組んでいるようである。

近藤相談役6月に退任 北海道電力、財務悪化で役職廃止へ

04/01 09:43
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/530565.html

 北海道電力相談役の近藤龍夫氏(69)が6月に北海道経済連合会(道経連)会長を退任するのに合わせ、相談役を退く見通しとなった。北電の会長や相談役は道経連会長の退任後、無報酬の名誉顧問などに就くことが慣例。泊原発全3基(後志管内泊村)停止で北電の財務状況が悪化していることも影響したとみられる。昨年の電気料金大幅値上げに対する道民理解を得るため、報酬付きの相談役職を廃止する方向となったようだ。

 近藤氏は2004年に北電社長に就き、08年3月から会長。同年6月から道経連会長を兼務し、12年に北電相談役となって経営から退いた後も道経連会長を続けていた。北電は慣例に従い、近藤氏を名誉顧問で処遇する方向で調整する。

 北電の14年3月期連結決算は純損失が770億円と3期連続の巨額赤字になる見通し。原発が再稼働しない場合、債務超過に陥る可能性もあるとして、今年2月に電気料金を再値上げする方針を表明している。北電は相談役の報酬額は明らかにしていない。

今まで超安定的な収入源に胡座をかいてきたために、組織は肥満化し、頭脳もボケてしまっていた日本の大手電力会社。もし原発事故がなければ、北電は、“報酬付きの相談役”などという無駄な慣例に手を付けることはできなかっただろう。

原発事故をポジティブに捉えるならば、事故のおかげで電力会社は目を覚ますことができたとも謂える。

上述の電力会社の合理化の取り組みは、長い目で見れば国民生活の改善にも寄与するだろう。

電力会社の本格的な構造改革はまだまだこれからだとは思うが、国民生活に資するためにも、一日でも早く身軽な企業に変身し、守りの経営から攻めの経営に転じてもらいたいものである。

関連:
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東京電力:順調に進む資産売却とエクセレントカンパニーへの道。

今後は電力会社の大合併も在るのではないかと個人的には考えているのだが、その際は、最も身軽になれたところが主導権を握ることになるだろう。今は殆ど横並びの電力大手だが、合併話が浮上してくる頃には、おそらく同じ電力大手でも月と鼈(すっぽん)ほどの差が生じていることだろう。

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