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2014年3月17日月曜日

東芝技術流出:サラリーマンの蜘蛛の糸。

http://surouninja.blogspot.jp/2014/03/pathos-of-an-engineer-hired.html
東芝半導体研究データが韓国の半導体大手SKハイニックスに流出した事件で、東芝の提携先の米サンディスクの元技術者、杉田吉隆容疑者を不正競争防止法違反容疑で逮捕したとのことである。

吉田容疑者は、米サンディスク社の給与などに不満があり、転職のためにデータを持ち込んだと供述しているとのことである。

「給与不満、転職のため」 東芝技術流出 杉田容疑者を送検

産経新聞 3月16日(日)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140316-00000073-san-soci

 大手総合電機メーカー「東芝」の半導体の研究データが韓国の半導体大手メーカー「SKハイニックス」に不正流出した事件で、東芝の業務提携先で半導体メーカー「サンディスク」の元技術者、杉田吉隆容疑者(52)=不正競争防止法違反容疑で逮捕=が「サン社の給与など待遇面に不満があった。転職のため、自らデータを持ち込んだ」と供述していることが15日、捜査関係者への取材で分かった。

給与に不満があるから転職をする。これは別に何も悪いことではない。何だかんだと言っても、サラリーマンの本分はカネで自らの時間を売ることなのだから。少しでも高く自分を売れた方がいいだろう。

だが、この元技術者もそうだが、日本のサラリーマン技術者の相当数が“勘違い”しているように思えてならない。

もし、この技術者が自分の力だけで起業し、自分の努力だけで経営をマネージメントした上で、研究を自らの手で行っていたのなら、その成果物(研究データ)は彼本人の所有物であると言える。(まぁ正確に言えば、彼の「会社の資産」だが、それはさておき。)

しかし、多くのサラリーマン技術者は、就職先の企業に時間を売る見返りに、研究設備から鉛筆一本まで会社の資産に与っている。共に働く研究チームというのも企業側から与えられた一種の資産である。ということは、それらのお膳立ての上で生み出された研究成果も当然、一技術者個人の物ではなく、会社の資産ということになる。彼は、研究成果を恰も自分だけの手柄(所有物)と思い込んでしまった、残念なサラリーマン技術者の一人だったのだろう。

彼は、会社の資産を横領し、更にそれをライバル企業に渡すという、二重の罪を犯したのである。

SKハイニックスとしても、NAND型フラッシュメモリ技術を入手することで東芝・サンディスク連合を潰せるのなら、多少は高い“餌”でもポンと出せるだろう。だがそれは、あくまでも彼の盗んだ“研究データ”に出されたカネであって、ご主人様を裏切るような愚かな飼い犬に出されたカネではない。彼の盗んだ研究データには価値があるが、彼の人間としての価値は残念ながらゼロなのである。このような人間は、用済みになれば簡単に捨てられるのである。彼のやったことはれっきとした犯罪なのだから、最後は犯罪者としてスケープゴートにされて仕舞いだということだ。

他人に時間を売ることに慣れてしまった人間は、無意識の中に鬱積する不満をカネでしか解消できない。ポリシーの無い家畜人間がカネで右往左往して破滅していく姿はとても見苦しいものだが、自由な貧乏人がそこで何かを言ったところで彼のような人間の心には全く届かないことも知っている。だから、赤の他人というわけではないが、かと言って親族ほど近い間柄というわけでもない者達は、彼のような人間を生暖かい目で遠くから見守り続けるしかないのである。

日本のサラリーマン技術者たちには、少しでも給与以外の誇りも持ってくれることを期待したいところである。まぁそういう誇りを手に入れてしまうと、会社勤めなんぞ馬鹿馬鹿しくてやっていられなくなるだろうが、それならそれもまた良しではないだろうか。今度こそゼロからスタートして、本当の“自分だけの成果物”を生み出せる絶好の機会なのだから。

家族と子供のために嫌々ながら会社勤めを辞められないという人も居るが、そういう人たちは、“子供は親の姿をみて育つ”ということを忘れてしまっている。子供は、親の遺伝子だけではなく、親の生き方をもミームとして受け継ぐのである。社畜としてのミームを受け継いでしまった子供には、どんなに高度な教育も殆ど将来の役には立たないだろう。今の日本のサラリーマンに必要なのは「矛盾への適応性」であって、「知識」や「教養」は二の次である。だから親の社畜ミームを受け継いだ子供たちは、無意識のうちに前者を優先的に身につけようと努力するだろう。だが、前者は後者と相反するものであり、そのため子供たちは自然と後者を蔑ろにしていくのである。

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