2013年12月23日月曜日

東電の宗旨替え。

http://surouninja.blogspot.jp/2013/12/tepco-to-cross-the-aisle.html
東京電力が新しい総合特別事業計画(再建計画)を27日(2013年12月27日)までに政府に提出する方向で調整に入ったとのことである。


東電の再建計画、27日にも提出へ
MSN産経 2013.12.23 14:34 (1/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131223/dst13122314380003-n1.htm

 東京電力と原子力損害賠償支援機構は、27日に新しい総合特別事業計画(再建計画)を政府に提出する方向で最終調整に入った。柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)を「平成26年7月」に再稼働し、収益を改善するほか、ガス販売や海外事業などの成長戦略により年間1500億円規模の経常利益をあげる計画だ。あわせて50歳代の役職者全員を、原則、福島県の復興業務に就かせる異例の人事策も導入する。

再建計画には、「柏崎刈羽原発の来年夏(2014年7月)の再稼働」や、「ガス販売や海外事業」といった収益改善策の他に、「50歳代の役職者全員を福島復興へ投入」といった、異例の人事策も盛り込まれているようである。

最後の人事策については、東電の異常な経営体質を作り上げてきた役職者達に責任を取らせるという意味では、個人的にはそこそこ評価している。この決定で退職を決めた無責任な役職者も多いようだが、それはそれで、東電の経営改善には都合が良い。というのも、役職者(多くは団塊世代であろう)が大量に退職することにより、来年度3月期(2014年3月期)決算から適用が予定されている「退職給付会計基準」で発生する負債をより縮小することができると予想されるからである。

従業員の若返りと負債の軽量化は優良企業の必要条件だが、東電は正に震災という“逆境”をバネに脱皮しようとしているのである。(参考:東京電力:順調に進む資産売却とエクセレントカンパニーへの道。2013年10月18日金曜日)

 発電設備では福島県の沿岸部に最新鋭の石炭火力発電所2基を建設する。ただ、経営再建中の東電には単独で建設する余力がないため、三菱重工業など三菱グループから出資を仰ぐ。

やはり予想通り、東電は、三菱グループとの協力を模索しているようである。(参考:東電:三菱グループへの火力会社の売却を想定か。2013年12月12日木曜日)

東電は既に、三井グループから三菱グループの手に渡ったと見られる。現在は三井住友のウェイトが高い東電への融資についても、近い将来、三菱UFJにシフトすることも予想されよう。

この“三井グループから三菱グループへ”の動きは、あのトヨタの過去の立ち位置の変化を思い起こさせる。

トヨタグループ - Wikipedia

三大財閥(三菱・三井・住友)グループとの関係
グループの中核企業であるトヨタ自動車は財務体質が極めて優良であり(内部留保している資金が10兆円近くあるとされていて、「トヨタ銀行」と揶揄されたこともある)、トヨタグループは三大財閥(三菱・三井・住友)グループやメガバンク系グループとは一線を画する独立系の企業集団と見られている。

しかしそのトヨタ自動車(以下、本項では1950年から1982年までのトヨタ自動車工業・トヨタ自動車販売の両社も含めて「トヨタ」と総称する)は1949年のドッジ・ラインの影響で経営危機時に、当時のメインバンクであった住友グループの大阪銀行(後の住友銀行、現三井住友銀行(SMBC)。以下同)から融資を断られ、結局、日本銀行の斡旋で銀行団の融資を受けている。この時、三井グループの帝国銀行(後の三井銀行→さくら銀行、現SMBC。以下同)が日銀の要請に応じ、三菱グループの千代田銀行(後の三菱銀行→東京三菱銀行、現三菱東京UFJ銀行(BTMU))が拒否したことから、トヨタは三井グループを構成する二木会(グループ企業の社長会)・三井業際研究所(二木会直轄のシンクタンク)・綱町三井倶楽部(グループ企業の部課長クラス以上を会員とする社交クラブ)に加盟する(経営危機以前から豊田家と三井家は縁戚関係でがあった)一方、三菱グループとは一切の関係を絶っていた。トヨタグループと三菱グループとの間に再びつながりが出来るのは、海外事業関係で取引のあった東京銀行(現BTMU)が三菱銀行に合併されてからといわれる。また、1997年に三井グループのさくら銀行(旧帝国銀行→三井銀行、現SMBC)の経営不安説が流れた際は、トヨタに増資を要請する事態にまで陥った。いくらトヨタが優良企業で、かつて帝国銀行に経営危機を救ってもらったからとは言え、メーカーが銀行の救済をするというのは異例の事態であった。
不良債権問題を背景とする銀行再編成の渦中で、経営困難に陥ったUFJHDの救済に三井グループ・住友グループの三井住友フィナンシャルグループ (SMFG) と三菱グループの三菱東京フィナンシャル・グループ (MTFG) が名乗りを上げていたが、UFJHDはMTFGとの合併を選んだ。2005年に入り、三菱UFJフィナンシャル・グループ (MUFG) と三菱重工業は相次いで、トヨタグループから社外取締役を迎えている(MUFGには日野自動車元会長の大木島巖(UFJHDから続任)、三菱重工業にはアイシン精機元会長の和田明広が取締役として入った。両者は共にトヨタ副社長経験者である)。

現在のトヨタは、三菱重工・三菱航空機の推進するMRJ計画に大きく出資している。また、三菱航空機はMRJの製造にトヨタ生産方式を採用する方向で検討しており、製造段階でトヨタから指導及び技術支援を得る考えである。

何らかの巨大イベントをきっかけに三井グループが切り崩され、放り出された元三井系企業が三菱グループの手に渡るという、これは在る意味、毎度お馴染みのパターンなのかも知れない。